ツアーレポート 旬な京都「初秋の寺町通」

京都のまちあるきツアー「旬な京都『初秋の寺町通』」に参加しました。神戸出身・在住で、京都にはさっぱり疎い私有名どころですら清水寺、金閣寺、南禅寺ぐらいしか行っていないレベルなのに、ローカルでちょっとマニアックなまちあるきツアーについていけるのでしょうか!?

  ガイドは辻井輝幸さん。京都検定1級をお持ちです。 この人の頭にはどれだけの京都が詰まっているんだろう・・・。

さて、集合場所は地下駅だったので地上に出ます。そこにはさっそく鴨川にかかる丸太町橋が。

 「あー、京都やわ~」と上洛気分が盛り上がります。橋を渡りきったところにひっそり立つのは「女紅場(にょこうば)址」女紅場とは、女性に読み書き・そろばん、裁縫を教える学校のようなものです。

同志社大学を設立した新島襄の妻、八重はここの舎監(管理人)となって、多くの女性の活躍を後押ししたそうです。

女紅場はこんな鴨川沿いにあったのかぁ、眺めはよかったんだろうなぁ。 八重はここにいたのかぁ、と感慨にふけります。それにしても「女紅場」って、ちょっと艶っぽいネーミングだと思いませんか(*^_^*)

少し西に歩くと京都御所が見え、御所の東側を南北に走る寺町通りを南へ歩きます。 寺町通りは、豊臣秀吉が、参拝しやすいようにと他所にあった寺社を集めて整備した通りです。御所にこんなに近い土地を自分の思いのままにできるなんて、当時の秀吉の権力の大きさがよくわかります。

通りに面する下御霊(しもごりょう)神社。

平安時代初期に、無実の罪や権力争いに巻き込まれて非業の死を遂げた人たちの怨霊を鎮めるために建てられた神社だとか。

 

同じく通りに面した行願寺(ぎょうがんじ)。

こちらも秀吉が他所から移転させたお寺です。西国33か所巡りの第19番札所で、私たちが滞在している間にもお参りをするグループを2団体ほど見ました。御朱印ブームですねぇ。下御霊神社にも行願寺にも、たくさんの藤袴(ふじばかま)が植えられていました。秋の七草の藤袴。楚々とした感じが大好きな花です。 藤袴が咲き誇っていた、かつての寺町を再現するイベント「藤袴アベニューてらまち」を開催するための植栽だそうです。どうりで。今はまだ蕾がほとんどでしたが、イベントは10月ですから、可愛らしい花を咲かせるのが楽しみですね。

もう少し南へ歩くと、藤原定家の邸跡の碑がありました。定家かぁ、さすがに私でも知ってるわ(笑)。百人一首を選定した歌人です。ここにあったお屋敷で「どれにしようかな」と頭をひねっていたのでしょうか。

昔からにぎわった通りですから、老舗や古い家並みが残る寺町通り。老舗のお茶屋さんの前を通りかかると、店から出てきたのは外国人女性たち。しかも頭にスカーフを巻いているイスラム教徒です。 

 Where are you from?」と聞くと、返ってきた答えはKuwait。なんとクウェートから来たそうです。外国人にも日本茶が受けるんですね。たしかにハラールですしね。宗教上の制限から、外国旅行で何かと面倒が多いイスラム教徒にとってみれば、ぴったりのお土産かもしれません。

老舗の和風な店構えと、スカーフをまとったイスラム女性たちのコントラスト。なんだか斬新なアートのようで素敵な光景でした。

ここからは引き返し、寺町通りを御所の東側の道に沿って北上します。今日の立ち寄り場所ではないのですが、途中に「同志社新島会館」を発見。同志社を設立した新島襄と八重が住んだ家です。先ほどの女紅場から1kmあるかないかといったところ。

 大河ドラマ「八重の桜」を気に入って見ていた私。八重とジョーの自立した関係は理想の夫婦像です。彼女たちの自宅と女紅場の距離の近さを感じたことで、八重たちの生活、息遣いにふれたようでした。

そして今日の最終目的地、梨木(なしのき)神社

鳥居の向こうには、なんとマンションが建っています!!これ、どういうこと!?神社の運営資金確保のため、鳥居と本殿までの参道にマンションを建て、入ってくる土地貸出料で財政をまかなっているのだとか。 京都の寺社は数が多いがゆえに、資金面で余裕があるところとそうでないところの差が大きいようです。(こういう豆知識を聞けるのもガイドツアーならでは!) 

マンションを迂回して神社に入ると、参道には萩の花が。 そう、梨木神社は萩の名所で「萩の宮」と親しまれています。ガイドの辻井さんは、「一週間前にはまだ咲き始めだったのに、台風のせいで一気に散ってしまった」と残念な表情を見せます。たしかに、この両側の緑はすべて萩の木。花盛りのときはさぞ美しいでしょうね。

梨木神社をお参りして、今回のツアーはここで終了。約2時間のコースでした。

  今回訪れたどのスポットも、私は初めて聞くものばかりでした。京都は有名どころでなくても、様々ないわれや歴史がいっぱい詰まっているだなぁと改めて実感。まち自体が宝箱のようですね。そして、女紅場址や定家邸跡の碑など、たいへんな由緒のある場所でも知らなければ通り過ぎてしまいます。 これらを教えてくれるガイドさんの存在は大きい!とも感じました。 古文で習った「仁和寺にある法師」ではないですが、やはり「何事も先達はあらまほしきことなり」です(笑)。京都初心者の私も楽しめましたが、京都を知る地元の方や、京都をよく訪れている人こそよりいっそう楽しめる、ちょっとディープなまちあるきツアーです 

 /合楽仁美 (らく)

 

 


合楽仁美(らく)

神戸市出身・在住。世界遺産・姫路城のある姫路市の広報専門職員を経て、フリーのライター/アナウンサー。

経済ウェブメディアNewsPicksでの記事構成や、地域の媒体で地元の話題をお届け。

旅を始めたのは29歳からと遅咲き。大人になってから罹患したため、旅病は重症。

好きなジャンルはシルクロードで、新疆ウイグル自治区や中央アジアがとくにお気に 入り。

最近は桃源郷フンザへの渡航を夢見ている。